遺産争族もいよいよ最終話。終わってしまいましたね。
ローソクの火が原因で火事になった河村家、家族はなんとか逃げ出そうとします。でも龍太郎(伊東四朗)は「金庫に大事なものがある。」と言って部屋に戻ってしまいます。育生(向井理)が後を追います。龍太郎は、燃えさかる火の中、育生が止めるのも聞かず、金庫を開けてしまいます。そして・・・2億円の札束は燃えてしまったのです。
育生は軽い火傷をおって入院してしまいましたが、他の河村家の家族は無事でした。
でも河村家の家族は、龍太郎の2億円が灰になってしまったこと、他の遺産(不動産等)は購入したときより価値が5分の1以下となってしまったこと、ゴルフ会員権も売りにくいこと等を考えると遺産はほとんどなく、むしろ負債の方が多いかもしれない、と金沢弁護士(真飛聖)に告げられてしまいました。
龍太郎をせめる家族たち、謝る龍太郎。
龍太郎が後生大事に持っていた缶の中身は鍵や古銭などのがらくたでした。
近所の人たちは、ボヤの後始末をするよう責めますが、河村家の家族はそれどころではありません。育生の母や金沢弁護士が片付けはじめるうちに、ようやく家族も片付けるのでした。
育生が遺言を書き換えさせたり、いかにも金がほしいように振る舞っていたのは、芝居でした。河村家の人々をなんとかしたいと思ってしたことでした。
育生は楓(榮倉奈々)にさよならを言います。
楓は陽子(余貴美子)からアドバイスされます。
楓は恒三(岸部一徳)に「育生のところへ行く」と言うと、恒三は「好きにしなさい。むしろ海外へでも言ったらどうだ。」と言います。
楓は育生のことを家族に話します。皆は育生のために助けると言ってくれました。
カワムラメモリアルでは取締役会が開かれ、社長解任の緊急動議が出されます。でもそれは月子(室井滋)の反対でかろうじて却下されました。
クラブおりひめで恒三は亀山ママ(堀内敬子)と飲んでいました。そこに正春(鈴木浩介)がやってきます。恒三は正春をカワムラメモリアルの後継者にしたいといいますが、正春は今調理師学校に通っていて、その話は断るといいます。
退院してやけ酒?を飲んでいる育生のところに母がやってきて、河村家はバラバラになってしまう、まだ争いをしている、とうそを言います。それを聞いて、育生は帰るつもりのなかった河村家に行きます。そしてそれが芝居だったことを知り、本音をぶちまけます。
恒三(岸部一徳)は、育生がほしかったのは家族の絆で、それは欲張りだ、と言います。家族は育生がいたからこそ何でも話せる家族になれたと言います。
育生の海外勤務も決まり、龍太郎の快気祝いの席。河村家のテーブルには正春が作った料理の数々が並びます。
佐藤華子(岸本加世子)と金沢弁護士は祝の席に同席せず、二人は酒をのみかわします。
お祝いムードの河村家。席を外した龍太郎のところに行った楓が気づきます。「おじいちゃん!」龍太郎は椅子に座ったまま、旅立っていったのでした。
(感想)
遺産がなくなってしまったのに、家族がかえって仲良くなり、家族の絆が深まり、丸く収まる。育生は夢を叶えて海外勤務になる。という予定調和的でありがちな結末でした。
でもラストで龍太郎が死んで、これから本当の遺産争族が始まる、というちょっと含みをもたせた結末でしたが。
「遺産相続」は初回からずっと見ていました。正直、ドラマとはいえ、河村家の家族たちの(ドラマらしく、わざとらしく大げさなのですが)醜い遺産相続争いには、うんざりしたところがあります。ドラマとはいえ、見ていて楽しくないのです。醜いところをそんなに見せられてもおもしろくはないです。
初回で育生と楓が結婚して、二人の幸せな生活をもっと見たい気がしていました。
育生は河村家の遺産相続に翻弄され、したくもない芝居をうち、家族をなんとかまとめようとします。そこがちょっとつらいですね。
でもシリアスなつくりではないので、エンタメとしてはまあ楽しめました。一応最後まで見続けられました。
あまり好みのドラマではないですが、育生の夢(海外医療に従事)がかなってよかったと思いました。そこがこのドラマの一番の救いではないでしょうか?
あと、余計な話ですが、龍太郎がとうとう亡くなり、本当に遺産相続が始まるわけですね。金沢弁護士は負債になるかもと言っていましたが、龍太郎に借金がなければ遺産が極小になるにせよ、負債にはならないと思うのですが、どうでしょうか? もちろんボヤを起こした河村家の家を建てなおすのに借金するかもしれませんが、それは別の話でしょう。龍太郎の遺産の別荘やゴルフ会員権などが購入金額の五分の一以下となったとしても、ゼロではなく、マイナスにはならないのではないでしょうか?
あと、カワムラメモリアルの持ち株もあるわけですからね。持ち株は火事でも燃えません。
遺産相続が本当に起こったのですから、今までのことを教訓として、河村家の人々がもめないことを祈るばかりです。